「人生のどん底」
ついに社会人として世に出た私は、正直、学生の頃より楽になると思っていました。
嫌いな勉強を頑張って、いい大学に入り、いい会社に入った。
だからこれからは、少しは楽に生きられると思っていたのです。
でも、現実はそんなに甘くありませんでした。
今回は、社会人になりたての頃。
人生で一番つらかった時期の話です。
社会人は、学生よりもずっと厳しかった
学生の頃、「受験が一番つらいんだから今頑張れ」とよく言われていました。
あのとき読んでいた受験雑誌の言葉を、少しだけ信じていたのかもしれません。
しかし社会人生活は、はっきり言って学生時代よりもシビアでした。
面と向かって悪口を言ってくる同僚。
お金を返してくれない人。
「いい大学出てるんだから仕事なんて教えない」と言ってくる先輩。
知らない間に自分の写真を撮り、勝手に待ち受けにしている上司。
寮の共同洗濯機で洗った服がなくなっていたときの絶望感も、今でも忘れられません。
とどめは、ある同期の一言でした。
「先輩が、あなたは礼儀がなってないって言ってたよ」
さらにその同期は、先輩に気に入られていて食事やホテルに連れて行ってもらっていることを誇らしげに話してきました。
でも、その先輩からの引き継ぎ事項を私が聞いても、教えてもらえなかった。
正直、「それはそっちにも原因あるでしょ」と思いました。
この頃の私は、
「どうしてこんなに嫌なことばかり起きるんだろう」と思いながら、
毎日をなんとかやり過ごしていました。
優しい人だと思っていたのに
終電を逃すような生活の中で、ある日ふらっと立ち寄った整骨院の先生と仲良くなりました。
「味方だよ」と言ってくれて、
寮に帰りたくないと話すと泊めてくれたりして、
その人の存在が唯一の心の支えでした。
でも、だんだんと違和感を感じるようになります。
部屋の掃除や洗濯を頼まれたり、
「お金がないから貸してほしい」と言われたり。
ある日、仕事がつらくてその人の前で泣いてしまったことがありました。
その後、「業務の邪魔をされた」と言われ、トラブルに発展します。
当時の私は、
「私が泣いたのが悪かったんだ」と思っていました。
でも今振り返ると、私からお金を巻き上げたかっただけだったのかもしれません。
弁護士や警察に相談し、大きな問題にはならないことを確認した上で、話し合いを行い、示談という形で解決しました。
このときの私は、
「また迷惑をかけてしまった」
「自分は本当にダメな人間だ」
と、心の底から思っていました。
何もやる気が出なくなった私
その後、会社を辞めました。
配属の変更も提案してもらいましたが、
もう続ける気力は残っていませんでした。
しばらくは何もやる気が出ず、ほとんど寝て過ごしていました。
今思うと、軽い鬱状態だったのかもしれません。
精神科の先生には、好きなことをしようと言われても、
「好きなことなんてない」と思っていました。
そんな中、気分転換に旅行に行きました。
大学時代に唯一楽しかった思い出の場所です。
少しだけ気持ちが楽になったものの、
日常に戻ると、やはり何もする気が起きませんでした。
「楽に稼げる」という言葉に救われたかった
ぼーっと過ごしていたある日、
web漫画広告にあった「簡単に稼げる」という言葉が目に入りました。
今なら分かります。
あのときの私は、
「楽になりたかった」
「現状を変えたかった」
ただそれだけだったのだと思います。
話を聞きに行き、内容を理解しきれないまま、
結果的にまとまったお金を支払ってしまいした。
冷静な判断ができる状態ではなかったのだと思います。
会社もお金も自信も、全部なくなった
会社も辞めて、
お金も減って、
自信もなくして。
それでも不思議と、「これからどうしよう」という焦りはあまりありませんでした。
あまりにも嫌なことが続きすぎて、
開き直るしかなかったのかもしれません。
この頃の私は、
・私はダメな人間
・私は大事にされない人間
・私は騙される人間
・人生はうまくいかないもの
本気でそう思っていました。
今振り返ると、そのとき思っていた通りの現実を、
自分で引き寄せてしまっていたのかもしれません。
でもそんな中でも、
ほんの少しだけ、変化のようなものもありました。
「このままじゃダメだな」と思う気持ちと、
「いつかは何か自分で稼げるようになりたい」
そんな前向きな気持ちが、ほんの少しだけ芽生え始めていたのです。
本当に小さな気持ちで、
まだ何か行動できるような状態ではありませんでした。
それでも今思うと、
あのときの小さな感情が、
これからの人生を変えていく最初のきっかけだったのかもしれません。
こうして心身ともにさらにボロボロになった私は、就職活動を始め、次の会社へ進むことになります。
次は、転職と、その後の恋愛や婚活。
少しずつ環境が変わっていく、20代半ばの頃の話を書こうと思います。

コメント